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 『テクニクビート』スペシャルインタビュー

第2回 『テクニクビート』のキャラクターたち

今回は、業務用ビデオゲーム「テクニクビート」企画スタッフとサウンド担当の「スーパースイープ」代表の「めがてん」こと細江慎治さんにお話をうかがってみました。

第二回目は「テクニクビート」のキャラクターについて。

なお今回のインタビュー時に、弊社三原は収録日に発売されたプレイステーション2タイトル「鉄拳4」の鉄拳フォースモードに手を焼いていた為、参加しておりません(笑)

正直に言うといなくなったキャラクターに関しては僕らも本意ではなくて消さざるを得なかったというのがあったんです。

それでは、キャラクターについてのお話に入りたいと思います。
今作ではキャラクターが全部で6キャラクターになりましたね。プレステ2版の「テクニクティクス」では9キャラクター。かなり減ったんですが、これはどういった理由からなのでしょうか?
坪内

今回、キャラクターをつくり込んでいくところで、まず最初に、9キャラクターのバランスというのが問題となったんです。
プレイステーション2のアナログスティックから、業務用の8方向レバーへとシフトしていくときに、どうしても「テクニクティクス」の動きをアーケードでは表現できないところがあったんですね。
それで、「一度キャラクターを整理してみよう」という話になって、キャラクターを淘汰していった結果、現在の状況になったと。
で、正直に言うといなくなったキャラクターに関しては僕らも本意ではなくて消さざるを得なかったというのがあったんですよ。
結果として9タイプの要素をプラスアルファとして現在の6キャラクターにいれこんでいるので、むしろ作る方が大変でした。

実際に担当されたキャラクターというのは…
高野 「ニッティー」と「ボット」と「カート」ですね。

三川さんが「レイン」と「ハッシー」と「ウィリー」ですね。ニッティーとレインは初心者向けのキャラクターですよね?それぞれ、担当の方が違っている、というのはどういった理由からなのでしょうか?

坪内

「テクニクビート」のキャラクター制作にあたって、三原からは「ストリートファイター2のリュウ・ケンじゃなくて、ストリートファイターゼロ3のリュウ・ケンぐらいの差が欲しい」というのがあったんですよ。(編注:前者は、キャラクターが異なっていても「使用する技が同じ」コンパチブルキャラ、一方後者は、服装は似ていてもそれぞれが「独自に進化した技」を使う別キャラクターとなっている)
で、レインは可愛いから可愛らしくもうすごい初心者向けにしたてあげたんです。いなくなってしまったスワンの要素を一杯入れちゃって。

高野

ニッティーは基本的に通常アクションは変わってないんですけど、「スーパーアクション」を使うと面白くなりますね。今回全キャラにCボタンという「スーパアクション」が加わったことによって、随分キャラクターの性質は変わってきていると思います。
「ニッティー」は大きなマーカーで、全体をカバーするっていう、スーパ-アクションをするんです。キャラクターのコンセプトが「初心者向け」なので、使用頻度が高い通常アクションの方が簡単になっている分、少し他のキャラとくらべて使い方をちょっと考えさせられるという使用になっています。

そういったキャラクターの設定なんですね。では、「ボット」に関しては…

高野

ボットに関しては「テクニクティクス」はですね、マーカーを持ち上げて、ボタンを押しっぱなしにしているとマーカーが広がって移動すると早くなるっていう使用だったんですけれど、三原から「ボタンを押しっぱなしにするのはやめよう」という指示があったので、持った瞬間にマーカーが広がって、移動すると小さくなると。その落差を激しくするために操作を簡単にしたというのがあります。Cボタンは、マーカーが小さくなったりするんでその分広範囲にカバーできるものを用意しました。

ボットのスペシャルアクションは今、ホームページから見られるムービーにはいっていますよね?レーザーがばーっと広がる……

高野

あれが「全体をカバーする」っていうところですね。
「カート」のは基本的に蹴るっていう動作に変化はないんですけど、Cボタン、「スーパーアクション」ではより高度な使い方ができるように、画面上跳ね返りというか、移動して触れたすべてのマーカーには反応されるといった多少テクニカルな使い方ができると。

「レイン」についてはいかがでしょうか?

三川

基本コンセプトは前作と同じで、持ったマーカーが広がるので、初心者の方にも扱いやすいと思うんですけれど、若干Cボタンのは扱いづらくなっていますね。
だんだん慣れてくればちゃんとしたコンボが得られるようになってます。
「ハッシー」も前作と一緒で、「スライディングアクション」というのがあって、そのアクションでマーカーに向かって滑るという事ができるんですけれども、その分足が遅いので、ちょっと上級者向けですよね。で、Cボタンなんですけれど「足の遅さをカバーしてあげたい」ということで、
画面全体をカバーできるようになっています。ボットのそれとは違って、ハッシー自体が巨大化しているんですが。
で、「ウィリー」なんですが……一番の悩み所でしたね(笑)。
いろいろと試行錯誤をしたんですが、最終的にはつらなっているマーカーを同時に手に持つ事ができるということになりました。
一応上級者向け、ということになっています。Cボタンも「ハッシー」と同じく、足が遅いので「慣れていないと辛いだろう」という事で画面全体をカバーできるというものにしています。

「仲間うちでわいわいと楽しくやれる」というのが基本のコンセプト

今回は「対戦、協力プレイ」がかなり充実していると聞いているのですが、そこらへんはどのようになっているのでしょうか?

坪内

まずは、アーケードというところから「仲間うちでわいわいと楽しくやれる」というのが基本のコンセプトであります。
例えば、カップルさんでも、楽しんでプレイできるようにつくっています。
やっぱりキャラごとに個性が違いますんで、いろんな楽しみ方がありますし、2人いるという事でよりチェーンを繋ぎやすくなりますし、「個性が違うだけでこんなつなげ方もあるのか」っていう驚きとか発見もたくさんあると思いますし、ひとりプレイでも「ひょっとしたらここはつなげられるんじゃないか」というのもあります。

「テクニクビート」はアーケードで稼動するという事でおそらく、コンシューマー版よりも対戦プレイをする機会が頻繁にあると思いますが、そこらへんはどうでしょうか?

坪内

そうですね。対戦に関しては三原が覇王になってまして(笑)。
これは後でお話すると思いますが、ちょっとですね、覇王を生んでしまうような事件があったんですね。ここらへんは調整的な部分で「緩和しないとまずいな」というのがありまして(笑)。

三川

協力プレイには、「いい組み合わせ」、キャラの相性というのがありますね。例えば、「カート・ハッシー」「ハッシー・ハッシー」とか。

坪内

ハッシーが絡んでると予約マーカーが作りやすいんで、ハッシーが最初に予約マーカーをつくったところに後から追撃するマーカーをカートがやる、とか、いろいろな遊び方ができるんです。

三川

協力プレイはかなり面白いですよ。普段つながってないものをカートが蹴って固める事でそれをウィリーが「ぽこっ」ととったり、マーカーを大きくしておいてハッシーが滑り込むとか……。

坪内

でも、お互いが同調しないと譲り合っちゃって、失敗したり(笑)。二人でやるとけっこう難しいところもそこそこいけちゃうかなっていうね。でもやっぱりシンクロしていないと、簡単なところで死んでしまいますね(笑)。でも、稼動がはじまったら、ぜひプレイしてもらいたいです。


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