ファイティングレイヤー | |||
1998年12月稼動 業務用ビデオゲーム プレイヤー人数 1~2人 開発/株式会社アリカ・販売/株式会社ナムコ ©ARIKA CO.,LTD.1998 ALL RIGHTS RESERVED. |
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キャラクター紹介 | |||
■テツオ カトウ 怒涛が激しく岩壁を叩きつけていた。 この時期、日本海は特に激しくなる。 一人の漢が岩場に仁王立ちしている。 「この島国には、もぅ俺より強ぇー奴はいないってことか……」 少し、虚ろな眼差しを打ち寄せる怒涛に泳がせていた。 しばらくして、手に握られている物に視線を向ける。 「蔵栖(ザウス)記……」 漢はその巻物に書かれている文字を口にすると、 大きく息を吐き瞼を閉じた。 再び、眼を開いたその眼孔には、もはや一点の曇りもない。 「こんな島には、もう飽きた!異人相手にいっちょ、もんでやっかぁ!」 |
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■ホン ギルソン ホンは幼少の頃から通い詰めていた道場の蔵の中から 埃まみれの一冊の書物を見つけた。 その書物には未知なる力を求めた先人達の記録が綴られていた。 しかし、その多くの先人達が「ザウスアイランズ」に渡ったのを最期に消息を絶っていることにホンは気付く。 ホンの中にある「武」に熱い血潮がそそぎ込まれていった。 「…この眼で確かめてやるぜ」 愛用のバンダナをいつもよりきつめに締め直すと、ホンは蔵を飛び出していった。 「眼前の武のこれを悉く打ち破り、その屠られし死屍の上にのみ存在する…」 文節の一部を暗唱するホンの口元には笑みがこぼれていた。 |
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■ジャニス ルチアーニ 「アハハ、キャハハハッ!」 動かなくなった相手を目の前にジャニスは、恍惚な表情を浮かべていた。 おびただしい出血だ、おそらく死は免れないだろう。 「ハッ!」突然、ジャニスは振り向き、ナイフを投げた。 ナイフの先端が大きな樹の幹に突き刺さる。 樹皮と共に巨大な蠍がその身を二つに分け、落ちていった。 その様を楽しそうに見ながら、ジャニスは視線を空に泳がす。 西に傾く陽の光が空を まるで血の様に真っ赤に染め始めていた。 「アタシはここ、気に入ったね」 この島に渡ってからは暗い路地裏で警察から身を隠す必要もなく、欲望につき動かされるままジャニスは破壊を繰り返していた。 草の鳴る音が聞こえたと同時に奥の茂みから、人影が現れた。ジャニスは樹に刺さった ナイフを抜き取ると軽く舌を這わしながら、こう続けた。 「あんた、赤い色好き?」 |
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■シャン シェンファン 「また、シャンっ、てめぇか!今度という今度は逃がしゃしねぇぞ!」 露店主が大声を出しながら、長箒を振り回していた。 「オヤジ、たかが肉まん一個でムキになんなよ。あらヨットっとっと」シャンは振り回わされる箒を巧みにかわしている。 「じゃぁな、あばよ!」 悔しがる露店主を後目に路地裏へと逃げ去っていった。 帰り道、シャンは一人の易者に呼び止められる。 貧しい格好の割に力強い眼光の易者にシャンは興味を持った。 「お主、金が欲しいか?いや、いわんでも分かるぞ…。こそドロ家業などせんでも、巨万の富を手に入れる方法を、知りとうないか?」 易者の顔を見ながらシャンは口を開いた。 「面白そうじゃねぇか。で、どうすんだい?」 白髭を蓄えた易者は嬉しそうに話を続ける。「実はな、海の彼方にあると言われる、ザウ………」 |
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■セッシュウ 「悪く思うな、これもまた定め…」 すでに事切れている相手にそう言い残すと、月明かりに照らされていた影は瞬く間に掻き消されていた。 激しい気迫の中にある冷徹な心。 時の権力者の仕えることで己を影に換え、 任務の完遂だけが己の証。 この世に光りあれば影が生まれ、自然の摂理に逆らわず、 只ひたすらに生き、只ひたすらに死を求める。 「我を持つこと、すなわち我を捨てることなり」 影は、己をさとすように囁きながら、眼前の相手へ忍者刀のこい口を斬った。 |
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■アレン スナイダー なま暖かい風が吹き抜けていく海岸の桟橋にアレンは立っていた。自慢のもみ上げを風が擽る。 「これで俺も井の中の蛙だぜぃ。」暴走する勘違いがこのザウスアイランドという空間を『井の中』に見たて、その中の最強の『蛙』になる為に彼はここにやって来たのだった。 しばらく歩くと人影が視界に入ってきた。 アレンは大きな声で、前を行く漢に声をかけた。「あんた『井の中の蛙』だなぁ? って事は俺様のライバルでもあるって訳だぁ!」声をかけられた漢は振り返ってアレンを見る。 「なに言ってっか、知らねぇが…俺も退屈してたもんでな。 いっちょ、もんでやっか!」 アレンも吼える。 「おう、『朝飯前』だぜっ!」 !」 |
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■ジョー フェンディ 「どいつも、こいつも腐ってやがるぜ!」 無機質な部屋にかけられたサンドバックに 猛烈な連打を繰り出しながら漢は叫んでいた。 数カ月前まで、世界中のメディアに映っていたプロボクサー、ジョーフェンディの姿がそこにあった。 「レギュレーションなんかクソ喰らえだっ! 片目が見えなくても、強ぇー奴は、強ぇーんだぁーよっ!」留めの右ストレートにサンドバックは、その身を部屋にまき散らした。 ジョーのサングラスに砂がぶつかり、乾いた音を立てながら床に落ちてゆく。 「・・・ん?」 部屋の入り口に立つ人影にジョーは気付くと、嬉しそうにファイティングポーズを構え、後ろで見ているセコンドに向かって口を開く。 「・・・ここにいれば、強ぇー奴が自分からやってくる。ってぇ話はマジみてぇだな」 |
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■エイジャックス 飛び散る鮮血、崩れ落ちる仲間、飛び交う鉛の弾丸…。 鼓膜を貫く爆音に、引き裂かれる肢体…。 「うおぉぉーっ!」 真っ暗な部屋の中でプレストンの咆吼が響きわたった。 ひどく、疲れた様子でベットから上半身を起こす。 「はぁ、はぁ…、また…あの時の夢か…」 うなだれた顔から流れる汗が滴となって落ち、 シーツに吸い込まれ小さな跡を残す。 「結局、俺達は自分の命を炎に近づけることでしか、生きている実感が持てない…」 一人しかいない部屋の中で、自分の右腕を擦りながら呟く声が、虚しく消える。 「俺達の時間はあの瞬間に止まったままだ…錆び付いた針を動かそうとした者も結局、誰一人として動かせなかった…」 プレストンは、視線を右腕から虚空に向けた。 「今は待つしかない、と言うのか?…そうか、そうだな…弟よ…」 |
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