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『FIGHTING EX LAYER』発売1周年記念インタビュー(第3回)

2018年6月28日、FIGHTING EX LAYER発売から1年——。
1周年を記念して、西谷亮氏と開発スタッフである加藤氏と高野氏にMarinaがお話を 聞かせて頂きました。
インタビューは全3回に分けてお送りいたしております。

6月にFEXLキャラクター人気投票を開催し、その際に開発スタッフへの質問も募集させていただきました。
たくさんのご投票とご質問、ありがとうございました。
第3回では、その中で多かった・気になった質問に答えていただいた模様をお届けいたします。
そして後半では、キャラクター人気投票トップ3を予想していただきました。 果たして正解者はいたのでしょうか!?
ぜひ最後までお楽しみください。
ユーザーの聞きたい!がつまったQ&A
Q:
FEXLを作ろうと思った一番最初のきっかけはなんだったんでしょうか?
西谷:
エイプリルフール版の反響が結構大きかったっていうのと、その後デモ機をEVOで出した時の反響も 大きかったので、本格的にやることになりました。
Q:
FEXLをデザインなさった時、どこか懐かしさを感じるようにしましたか? それとも、EXシリーズをモダナイズ化(近代化)することを目指しましたか?
西谷:
EXシリーズをプレイしていた人が、ちゃんとプレイできるようにしようっていうのはあったよね。
高野:
そうですね。代表的なシステムとか、スーパーキャンセルは残しつつ……。
加藤:
そこに近代兵器『強氣』を追加した。強氣の方を見てもらいたかったから、本体はすごいシンプルに したかったんだよね。
Q:
EXシリーズのキャラクターのモーションを今回のFEXLに適用させる時に 意識したことはありますか?
加藤:
昔のモーションのシルエットをだいぶ活かした形でつくってるんだけど、ポリゴンモデルは 表情があんまりなかったから、モーションをすごく大げさにつけてたんだよね。 でも今ってモデルがリアルだから、昔のをそのままのせるとおかしく見えちゃったりしたので、 デザイナーが修正してくれました。
特にブレアのフットワークとか立ちポーズは、今の技術だったらどういうモーションが かっこいいんだろう、ってもめながらつくったね。(笑)
高野:
もめたね~。
ブレアはほとんどつくりなおしたもん。昔のブレアのイメージは、ムエタイみたいな感じだったんだよね。
加藤:
FEXLではレオタード風のものから斜に構えたバトルスーツ風にして、どちらかというと暗殺者的な 感じに変えた。でもそうなってくるとシャロンとイメージが被ってきちゃう。だからシルエット として昔のモーションを活かしながら、今風にアレンジしつつ差別化を図ったことに、 結構デザイナーが苦労してた。
衣装とモーションをアップグレードしたブレア・デイム。
Q:
制作に一番苦労したキャラクターは誰でしたか?
加藤:
動きのシルエットではブレアが大変だった。ゲーム的に難産だったのは疾風。
カイリみたいにスタンダードなキャラは、強氣で肉付けしやすいんだけど、ギミックを持ってる キャラクターは大変だった。
疾風は刀を持ってるからガードできない属性にして、もっとスペシャルな技にしちゃおうっていう アイデアとか出てきたんだけど、刀のシステムに特化させると、強氣との相性が良すぎたり 悪すぎたりしたんだよね。
高野:
自分的には紗波音の方が大変だったかな。
本体とは独立して動くものを持ってるから、強氣との相性を考えると難しかった。
加藤:
今回EXシリーズとして初めてダッシュの仕様が加わったんだけど、走ることによってゲームの テンポ感ってだいぶ変わるんだよね。それで一番大きく影響を受けてるのが、飛び道具。 本体から分離するオブジェクトは、弾と自分で相手を挟むことができる。
高野:
例えば、紗波音は棒をびゅーんって投げて地面に置く、置いたら後ろに回って挟む、とかね。
加藤:
ドクトリン・ダークの場合も、爆弾をポイって投げた後またぐことができるから、 走る速度が速くなったことで挟める確率がものすごく上がった。
だから、配置弾系のキャラは大変だったね。
爆弾で相手を挟み、攻撃を仕掛けるドクトリン・ダーク。
Q:
新世代のゲーマーに向けてアピールする上で、 一番大変だったことはなんですか?
高野:
最近のゲームって、結構演出を重視してるように見受けられる。
でもうちはテンポ感を重視して演出はバッサリ切っちゃったし、三本先取にした。 だらだら長くなっちゃうものは極力排除して、スピーディーにした。
でも演出を求める声は結構あったね。だから新世代のゲーマーに向けては、FEXLのスピーディーな 展開とは別の形でアプローチしなきゃいけなかったのかなと思う。
Q:
昔のスカロドリームにあった「キン肉バスター」などのポーズが なくなってしまったのはなぜでしょうか?
加藤:
大真面目な話をすると、モデルがリアルだと極端なポーズをとらせた時に、 すごくエロくなっちゃうからです。
西谷:
他にも昔はいっぱいあったんだよ、ゴレンジャー系とか。
絵が進む時に、レバーを入力すると分岐していったりっていうのもあったね。
加藤:
昔と今だと倫理基準が違う関係で、危なそうなものは外したり、別のものに差し替えたり しなきゃいけなかった。
例えばドクトリン・ダークが相手の首を掻っ切ると、血しぶきが出る演出はまずいよねって。 取捨選択の中で、泣く泣くなくしたものもたくさんあったよ。
Q:
勝利カウントがオフライン対戦に無いのはなぜでしょうか?
加藤:
ローカルのオフライン状態での大会をやるときに邪魔だったりするかもしれないから、 表示してないんじゃなかったかな。
西谷:
普通のオフラインの時っておうちで2人でやる時もあるけど、例えば試遊台とか大会だったりすると、 不特定多数のいろんな人が乱入してくるから、カウントされていっちゃう意味があまりないんだよね。
Q:
FEXLでの使用キャラクターとお気に入りの強氣を教えてください。
西谷:
カイリ、アグロ。
Marina:
カイリがお好きな理由は、弾を撃てるからですか?
西谷:
そうだね!
Marina:
では、アグロを選んだ理由っていうのは?
西谷:
カイリの強氣はなんでも相性が良いんですけど、その中でも攻撃力に重きを置いたデッキなので、 それがいいかな。
Marina:
では加藤さんは?
加藤:
ひとつがドクトリン・ダークのスカイダンサー。
もうひとつがシャドウガイストのファンタジスタだね。
Marina:
やっぱり紗波音にも感じていたような、ちょっとダークな感じがお好きなんですかね……(笑)  (※第2回の記事を参照)
全員:
(笑)
加藤:
キャラクターの暗さはあんまり関係ないんだけど、陰気な性質の戦術が大好きで……。
西谷:
陰湿陰湿(笑)
加藤:
システムの隙を突けるというか、変わったことができるのが楽しい。
強氣使うと戦い方が変わっちゃうようなのが好きです(笑)
Marina:
高野さんはいかがでしょうか。
高野:
使用キャラのお気に入りはアレン、お気に入りの強氣はバベル。
アレンって実は技がすっごい少ないのに、あんなに自由自在に動かせる素晴らしいキャラだと 自分では思ってるので、本当によくできたキャラだなあって。
Marina:
自分を褒めてあげたいくらい?(笑)
高野:
すげー思ってる(笑)
まあ、アレンは元々いるキャラだから自分でアレンジした部分ってそんなに多くないんだけど。 浮かせ技あり、無敵対空あり、飛び道具あり、大ダメージも与えられて、やりたいことすべて できるキャラだと思う。
バベルは、アグロも似たような感じだけど、攻撃力が上がるのと、ガードキャンセルっていう システムにも通じてて。バランスも良いし使いやすくて、意識しても強くなるし、意識しなくても 攻撃の底上げが勝手にされる。コンボやってくだけで勝手に攻撃力が上がるっていうのが気に入ってる。
Q:
ラウンド勝利の際、シャロンとテリー・ボガードは1P、2Pでポーズに 違いがありますが、他のキャラでも違いをつける予定はありますか?
高野:
予定はないかな。
ちなみに他のキャラでも1P、2Pでポーズが違うキャラがいる。
Marina:
スカロですか?
高野:
スカロもそうだし、カイリも違うはず。
西谷:
テリー・ボガードのボイスはさ、パワーウェイブとか違うじゃん。あれはなんでなの?
高野:
私が単純に、パワーウェイブはパワーウェイブって言わせたいって思ったんですよね。
でも、『キングオブファイターズ』では言わないんですよ。
西谷:
そうなんだ!
高野:
ロックユーって言います。実はボイス収録の時に何パターンか録ってもらって、両方良いから 両方使いたくて。プログラマーに相談したら、右と左で変えられるよって聞いたので、1P側と 2P側で変えたんです。
でも片方はロックユーで、もう片方はパワーウェイブって言ってるから、「ん?パワーウェーブを 出してるのに、ロックユーがクラックシュートって聞こえる。バグじゃない?」って思われたことが あって(笑)だからあんまりやりすぎない方がいいかもしれないですね。
Q:
FEXLのキャラクターが他のゲームにゲストキャラクターとして参戦するなら、 どのゲームに参戦してほしいですか?
西谷:
もうしてるじゃないですか!スカロマニアが!
Marina:
『SNKヒロインズ Tag Team Frenzy』ですね!
西谷:
それ以外だったら、『レディ・プレイヤー1』の続編に出てほしいね。
加藤:
マーベルコミックスと合わせて、『デッドプール対スカロマニア』とかは見てみたいですね~。
西谷:
それだ!
  • レディ・プレイヤー1:2018年にアメリカ合衆国で公開されたSF映画。
    地球上の人類の多くがVR世界「オアシス」へ現実逃避し、その中では日米の様々な映画、アニメ、 ゲームのキャラクターが登場している。

  • デッドプール:MARVEL COMICSのX-MENシリーズなどに登場するキャラクター。
    第4の壁を超えられる、つまりメタ的な発言が許されているキャラクターであり、 MARVEL VS CAPCOMシリーズではHPゲージを使って攻撃する。おちゃめな言動が多いことから、 スカロマニアと少し雰囲気が似ている。


Q:
シャロンからも投げキッスが欲しいです。
加藤:
たぶん、シャロンの投げキッスだと、プルムみたいなハートマークじゃないと思うんだよね。 口紅のキスマークがチュッと飛んで行って、カメラにくっついたりする感じかな。
Marina:
いいじゃないですかー!やりましょうー!
加藤:
FEXLをもっと買ってくれるんだったら……。
Marina:
みなさん買ってくださーい!(泣)
Q:
最後の質問です。このタイトルを今後どのように発展させていくと 考えていますか?
全員:
来年のエイプリルフールにご期待ください!
FEXLキャラクター人気投票予想
Marina:
現在(2019.5.30)、発売1周年を記念してFEXLのキャラクター人気投票を 開催しています。現時点での集計結果をお持ちいたしましたので、トップ3の順位予想を お願いします!
西谷:
そんなのスカロマニアが1位でしょ(笑)2位がシャロン、3位が訃(しらせ)かな。
加藤:
俺は後にきたキャラの方が人気だと思うから、1位シャロン、2位ロッソ、3位訃(しらせ)と予想。
高野:
1位スカロ、2位ロッソ、3位紗波音かな~。
Marina:
ありがとうございます。ではこちらが集計結果です!
西谷・加藤:
アレン人気なんだ!
高野:
プルム、ガルダ、ダークはほぼ同じくらいだね。ブレア人気なんだな~。
Marina:
お三方からブレアが出なかったので意外でした!
西谷:
あるかもしれないなと思ったけど、上位3位までに入るとは思ってなかったな。 4位とかそのくらいかと。
Marina:
ブレアの使用率はそんなに高くないですか?
西谷:
真ん中くらいかな。
加藤:
女性キャラはみんな上の方かな。
高野:
でも訃(しらせ)低いね~。
加藤:
わ、ほんとだ。
西谷:
かっこいいと思うんだけどなー!
Marina:
全体的に、海外の方からの投票が多かったです。
西谷:
俺もアンケートに答えたんだけど、カイリが好きな理由に「弾があるから」って書いたよ(笑)
全員:
(笑)
西谷:
日本語で書いてあるのは、紗波音とかスカロが多い印象があるね。 ブレアは海外からの人気があるのかな。
加藤:
ゲーム性っていうよりは、今回はキャラ人気の理由が多いね。
Marina:
使ってて楽しいっていう意見もたくさんありましたよ。
加藤:
ダークはその辺が多いね。操作性が好きとか。
西谷:
ドクトリンは見た目もゲーム性も良いキャラだと思う。
Marina:
アレンはやっぱり空手家な所が良いっていう意見が多かったですね。
西谷:
変な英語を使ってるのが昔からウケてる感じなんだよね。
Marina:
Engrish(L/Rの区別ができていない英語の発音)っていうやつですね。
西谷:
そうそう。
Marina:
私は、プルムが好きな理由に「ずっと笑顔だから」とか「ハッピーな感じ」 って書いてあるのを見て、こっちもハッピーになりました!
加藤:
プルムっていつもすんごいうれしそうだよね(笑)
加藤:
やっぱりスカロ人気なんだね。
Marina:
デザインだったり、ユニークな感じが好きみたいですよ。
高野:
ブレアとかシャロンが上の方にいるってことは、クールビューティー系が人気なんだね。
加藤:
海外の人たちには、そっちの方が人気なのかも。
シャロンは使用率、勝率ともにトップクラスだから強いし、見た目も人気ってことだね。

◆Marinaの一言◆

FEXLインタビューを全3回に分けてお送りさせていただきましたが、いかがでしたか?
初めて公開されたお話がたくさんあったので、楽しんでいただけていたら幸いです。
キャラ演出のお話で出ていた『スカロボール』が弾けた時に現れる文字や、プルムの 『カインド*ウィンド』の竜巻の中にあるおひさまなど、細かいところまで開発スタッフの こだわりが詰まっています。
あまりチェックしたことがなかった方は、この機会にぜひ見てみてくださいね!

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

今後ともFIGHTING EX LAYERをよろしくお願いいたします!
(そしてシャロンの投げキッスがいつか見られますように……)



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