サイト名 Official Interview

『テクニクビート』スペシャルインタビュー

第3回 『テクニクビート』へのこだわり
今回は、業務用ビデオゲーム「テクニクビート」企画スタッフとサウンド担当の「スーパースイープ」 代表の「めがてん」こと細江慎治さんにお話をうかがってみました。

第三回目は「テクニクビート」のこだわりについて。
なお今回のインタビュー時に、弊社三原は収録日に発売されたプレイステーション2タイトル 「鉄拳4」の鉄拳フォースモードに手を焼いていた為、参加しておりません(笑)
「テクニク」シリーズのコンセプトは「音をならそう」ではなくて「音で遊ぼう」
「テクニクビート」制作にあたっての「こだわり」という部分を お伺いしたいのですが。
細江
「源平討魔伝」は個人的にかなり入れこんでつくってますね。
他の曲はテクノっぽい感じなんですけど「源平」はなんとかテクノっぽいところから外れている 部分があって。
どういったジャンルになるんですか?
細江
プログレッシブ系ですよね。音を生々しくつくってます。 ホントだったら10分位の曲をつくりたかったんですけど……。
そんなに長かったらゲームにならない、ということで、泣く泣く1分半くらいでおさめました。
まぁ、もともとすごい好きだったんで、かなり気合いが入ってます。
坪内さん、全体的な統括の立場、ディレクションの立場として こだわった部分はどういったところがありますか?
コンシューマーからアーケードへ、というところにも、いろいろとあったと思いますが。
坪内
自分の中で、「テクニク」シリーズのコンセプトは「音をならそう」というのではなくて 「音で遊ぼう」なんですよ。
やっぱり「テクニク」シリーズはゲームなのだろう、と。シュミレーターではなく。
なんかこう…音をならしてってきれいな形でジャムろうとか、そんなところで。

あとは「曲のイメージを壊さないものにしたい」、というのがありますね。 せっかく作ってくれた曲なんで壊したくなかった。

今回は初心者ユーザーにも楽しんで頂きたいというのがあったんで、Cボタンを追加して。
それを使うとなんとかクリアできるよっていう部分もあります。
坪内さんは「コンシューマーとアーケードの違い」というのは ありました?感覚的に戸惑ったとか……
坪内
まぁ、戸惑ったというよりもコンシューマーをだしてから「ここをこうすれば良かった」 というのがあって。
細かい話なんですけれどもマーカーがあったところにマーカーを持ってAボタンを押すと、 下にあるマーカーを誤爆させてしまうということがあって、やっぱりそれは音楽的にきれいに 聞こえないし、カッコよくないしつながらないし、ちょっとレスポンスの悪い状況になったんで それをはずしたっていうのがありますね。後は……
言えなそうなところもありそうですね(笑)

坪内
いやーけっこうあるかなぁ。
ああ、一番大事なのは、はじめてこのゲームを100円入れて遊んだ人間が、「え、わからないよ」 ってなにも遊べずに終わるという事はもう絶対にダメっていうところ。もうコンシューマーと アーケードは違うっていうのは再三三原に言われてました。
あとはシステム的な事で、ゲーム性とは関係ないんですけど、お金を入れてゲームができないとか そういう根本的なバグは徹底して排除せよと。

「テクニクティクス」を知らなくても、懐かしいナムコの曲についついつられて、100円入れて、 終わった時に「くそゲ-!!!」って言われないゲームに絶対にしとけっていう風に 言ってました(笑)。
その部分ではよく高野とかは三原から調整のレベルで、星の数(難易度)でお互いに「絶対違う」 ってもめてました。

スーパーアクションの数でももめてましたね。
高野君は2個でいい、というんですね。その2個というのはすごい理解できる2個なんですよ。 だいたいピンチになるのは1曲につき2回ぐらいあると。
でも、三原は3個っていうんです。クリアした時に「パーン」て打てるくらいの余裕が欲しいと。
「2」というのは企画としてゲームを知ってるから「2」なんだと。
でも全然知らないやつがやっても3回使ってでもクリアできる「3」なんだと、 言いくるめられました。
三川にいたっては最初「1でいい」といっていましたけど(笑)。
高野
まぁ、三原の言っている通りなんですよね。
普通に考えてみれば初心者は、僕らが本当にすっとクリアしたところで難しいと感じるいうのは あると思うんですよ。
で、それに対して言ってみればCボタンを使うところなんて沢山あるわけなんですよね。
まぁ、単純に使い切ってもクリアできないという状況も多々もあると思うんで、確かに「3」と いうのは適当かなと。
「テクニクビート」をざっくりとジャンルわけすると、やっぱり 「音ゲ-」になりますよね。
今、全体的に見てブームが終わっちゃっていて、現行のものって、とにかく難しい、初心者には クリアはおろか、プレイすることすらむずかしそうなイメージは少なからずあると思うんですが、 なるべくそういうとこを無くそうっていう感じですか?
坪内
分類的には「音ゲ-」という言い方なんですけどアーケードでは基本的に「アクションゲーム」 という意味を持ってて、100円を入れて遊んでもらう、曲を楽しんでもらうっていうのがあります。
「ここをこうすれば高い点数が出る」とか、アーケードユーザーに対するいれ込みっていうのは ありますね。音ゲ-のブームはどうのこうのっていうのは正直あまり気にしていなくて、 むしろアクションゲームというのも最近あまり無いんで、そこらへんのきっかけになれば いいかなっていう。
その中でナムコさんの昔の曲を聞いて、昔を思い出してやってくれればいいですね。
実際ロムテストをしたときはそこらへんのユーザーが振り返ってくれたというのがあったんで、 そこは狙い通りかなっていうのはあります。

先程もいいましたけどコンセプトは「音で遊ぼう」というところがありますので。

「これが気持ちいい=スコアにつながる」
実際にアーケードのこだわりに関して、「テクニクティクス」の時代も スコアランキングがあったりとかしましたが、今回はどんな感じになっているんですか?
坪内
今回は、スコアの計算方法がかなり変わっています。
おそらく「テクニクティクス」のファンからはブーイングの方が多いと思いますが、この形が 今回は正解かなと信じております(笑)。たぶん、文句はいわれると思いますが。
どういう形になったんですか?
坪内
「テクニクティクス」のときは「どうすれば気持ちよくてこうすれば点数が高い」というのが あって、今回の場合は「こうしたら点数高い方が良いだろう」にしたつもりです。
「ティクス」と同じ気持ちでゲームに入ってくる人にはスコアに関してはブーイングがくることは 覚悟していますけれど、それは素直に受け入れてやって欲しいと。
ビートをやり込んだ時に「これが気持ちいい=スコアにつながる」という風にやってもらえると 今勝手に信じてます(笑)。
高野
基本的につなげればつなげる程得点は高くなるんですよ。
で、「ティクス」のほうでもそれがあったんですけど今回はそれをメインコンセプトとして システム構築をしたんで、今まであったものはある程度とっぱらっているという。
そこまでリフレッシュした理由はどういったところに あるんでしょうか?
坪内
今回の曲も、前作のように音をどこからでも流せるんですけれど、皆さんの頭の中にある ナムコさんの曲の旋律は決まっているんですよ。やっぱりそう聞きたいし、そう流れて欲しいと。 そう流れるのが一番気持ちいいと思うんで。
今回はそういうシステムをつくって、曲の通りにプレイしてほしいし、それができれば スコアが高くなると。それが前回とスコアとは場合によってまるっきり違うんで、そういう 意味でいうと今まで作ってきたパターンはなかったことになる例もあるんです。
でも、これは間違っていないと信じてますね。

©ARIKA CO., LTD. 2002 ALL RIGHTS RESERVED.
GAME MUSIC LICENSED BY NAMCO LTD.

NEXT:「テクニクビート」裏話

BACK:「テクニクビート」のキャラクターたち